箱庭療法という心理療法

箱庭療法の方法

 

箱庭療法の方法は非常にシンプルであり、長方形の箱の中に砂を入れ、そこに動物や植物、建物などの色々なミニチュアのおもちゃ、あるいは人形などを用意して適当な場所に置いておきます。患者は、この箱庭の中に、これらのおもちゃや人形を自由に配置していくことで、自分自身の内面的な世界を表現していくことになるのです。

 

この箱庭療法では、セラピストは特に何もせずに患者を見守ることに徹します。この見守るという行為には非常に意味があり、セラピストはこの見守るという行為を通して、患者の状態を深く理解していくことになります。

 

一方、患者はセラピストに見守られていることで、心置きなく自分自身の内面を表現していくことが出来るようになるのです。場合によっては患者が箱庭を前にしたまま何もせずに終わることもありますが、このような場合でも、セラピストは特に指示をすることなく患者を見守り続けるのです。

 

実は、箱庭療法はセラピストにとっては難しい方法であり、かなりの経験が必要とされます。箱庭療法において、見守るという行為は非常に重要であり、特に何もしないとはいっても大きな精神力が必要とされるのです。

 

箱庭療法の効果は、セラピストの技量によって左右されるといってもいいくらいです。箱庭に何も表現されなかったとしても、セラピストと共にいる空間の中で、患者の内面では何らかの変化が起きているのです。そして、それが次の箱庭療法で現われて来ることになるのです。